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消費者課題 3.すべての人に健康と福祉を9.産業と技術革新の基盤をつくろう

安定供給

JBのビジョンの一つに「安心・安全を最優先に血液製剤の安定供給と国内自給の達成に貢献します」を掲げています。現在、JBが製造販売している血漿分画製剤は現代医療に欠かせない基礎的な医薬品であるばかりでなく、代替となる医薬品が存在しない製剤もあります。
JBは、善意に基づく日本国内の献血から得られた有限かつ貴重な血漿を有効に活用し、製品の製造における品質の確保及び安定供給に努めてまいります。
また、国内で原料血漿を確保できない一部の特殊免疫グロブリン製剤においても、別途血漿を確保して有効に活用してまいります。

ヒトの血液を原料とする特殊な医薬品

血漿分画製剤の役割は、貴重な“人の血液”をそのまま使用するのではなく、物理化学的操作を施すことにより、有効かつ安全な形に変えて提供することにあります。
しかしながら、その原料が生体由来物質すなわち“血液”であるため、ウイルスなどの感染性因子の混入の可能性を完全に否定することはできません。
血漿分画製剤の各種ウイルスに対する安全性を確保するために、当機構では次の3段階における対策が重要であると考えています。

  • 原料段階におけるウイルススクリーニング
  • 製造工程におけるウイルス除去/不活化対策
  • 最終製品段階での確認試験

それぞれの段階において、「ウイルス安全性確保に関するガイドライン」1) 及び「血漿分画製剤のウイルス安全対策」2) に準拠したその時点の最高の科学水準における対策を講じる必要があり、いずれか一つの対策により安全性が確保されるものではありません。
1) 「ウイルス安全性確保に関するガイドライン」医薬発1047号、平成11年8月30日
2)「血漿分画製剤のウイルス安全対策について」四課長通知、平成15年11月7日

3段階における対策

先ず原料段階において、献血(あるいは血漿採取)時に問診やウイルスマーカー試験等による確認を行います。次に、製造段階では、プール血漿において再度ウイルスマーカー試験を実施し、さらに製造工程においてウイルス除去・不活化処理を実施します。(その効果についてはウイルスプロセスバリデーションにより検証)。さらに、最終製品において、HIVや肝炎ウイルス等の核酸増幅検査を実施し、国家検定で合格した製品を医療機関にお届けしています。(上図参照)

医薬品の品質管理と安全管理

医薬品は、医薬品医療機器等法により品質と安全性を確保するための厳格な管理が義務付けられています。

品質について

GQP(Good Quality Practice、品質管理の基準):製造販売業
GMP(Good Manufacturing Practice、製造管理及び品質管理の基準):製造業

安全性について

GVP(Good Vigilance Practice、製造販売後安全管理の基準):製造販売業

これら基準に適合していることで、医薬品の製造販売業(本社)及び製造業(千歳及び京都工場)の業を営むことが許可されています。
また、医薬品の製造販売後調査については、GPSP(Good Post-marketing Study Practice、製造販売後の調査及び試験の実施の基準 )に基づく体制によって、使用成績調査等の各種調査が進められています。

医薬品における信頼性保証体制

JBは、今後も患者の皆様のお手元に適正に使用していただくための情報とともに、安心して使用していただける品質の血漿分画製剤が届けられるよう、製品の品質管理と安全管理を遂行する確固たる信頼性保証体制を構築しています。(下図参照)
そのうえで、本社(製造販売業)としてのGQP、GVPの相互連携を図るため、医薬品等総括製造販売責任者、医薬品等品質保証責任者及び医薬品等安全管理責任者による連絡会を定期的に開催しています。
また、本社及び工場(製造業:GMP)の相互連携として、品質・安全評価のための会議を随時開催して早期に情報を共有化し、迅速な対応を図っています。

JBの信頼性保証体制

JBの信頼性保証体制

品質改善への取り組み

近年、日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)や医薬品査察協定/査察協同スキーム(PIC/S)等により国際的な医薬品品質管理基準が整備されてきており、それに対応するためには製薬企業において製品品質向上のための仕組みの構築が不可欠になってきています。
JBでは、組織的な品質管理と継続的な改善活動により医療関係者及び患者の皆様の満足度向上を図ることを目的に、2014年にICHのガイドラインに基づき、「医薬品品質システム」を導入し品質マニュアルを制定しました。
この品質マニュアルにより経営陣が参画した定期的なマネジメントレビュー等を実施し、下記の「品質方針」のもと製品の継続的な品質改善に取り組んでいます。

品質方針

医薬品の有効性、安全性情報の収集と適正使用の推進を含めた情報提供

JBでは、GVP及びGPSPに基づき、医薬情報担当者(MR)を通じ、製品をご使用いただいている医療関係者の皆様から医薬品の有効性、安全性情報を収集しています。それらの情報の検討を積み重ね、そこから得られる情報を迅速かつ的確に医療関係者様にフィードバックすることで、医薬品を適正に使用していただけるように努めています。
なお、これらの情報収集、提供活動においては、関係法令や基準を遵守し、また業界自主規範等にも十分な配慮を行っています。

医薬品·安全性·コンプライアンス教育

JBは、毎年、医薬品の安全性に関する知識の蓄積·継承と意識向上を目的として、本社、千歳·京都両工場、中央研究所及び営業拠点の全職員を対象に、各種の教育を実施しています。
それら教育の中でもコンプライアンス研修は2012年のJB発足当初から導入し、製薬メーカーとして法令遵守の徹底が最も基本的な要件であることを全職員が共通して認識するよう力を注いでいます。
さらに、血漿分画製剤の使用によってもたらされた薬害エイズ事件、薬害C型肝炎事件等、過去の不幸な歴史を忘れることなく、JBの血漿分画製剤の安全性の向上につなげることを目的として、2014年度から我が国の薬害をテーマとした教育を開始し、現在も継続しています。
また、MRを対象とした製品教育においても、人の血漿を原料とすることから感染症の伝播を完全に排除することはできない血漿分画製剤の特殊性を考慮し、JBの血漿分画製剤の有効性、効能·効果面だけでなく、医療関係者及び患者の皆様が真に必要としている副作用等のネガティブな情報についても、隔てなく提供することが重要であることを教育しています。

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