MMN(Multifocal Motor Neuropathy / 多巣性運動ニューロパチー)とは?

運動神経の髄鞘(ミエリン)の障害に伴い、手足の神経の伝導が数ヵ所でブロックされます。
手足の筋力低下、筋萎縮がみられますが、感覚障害はありません1)

主な症状

運動障害

手足の筋力低下

 (非対称性 上肢>下肢)

手足の筋力低下(非対称性 上肢>下肢)

手足に力が入りづらい

手足の筋萎縮
(筋肉のやせ)

手足の筋萎縮(筋肉のやせ)

疫学2)

年齢10~60歳代(平均発症年歳41.2歳)
男女比2.4:1
頻度国内で数100人程度
(2010年調査より約400人と推定)
遺伝遺伝するという報告はありません

経過と予後

慢性的に進行することが多いです。

筋肉のやせ、ピクツキではじまり、軽度の知覚障害を伴う場合もあります。治療によって完治することがある一方、一過性の改善を認めるものの数年単位で少しずつ筋力が低下していくこともあります。

適切に治療されない場合、筋肉のやせが進むことはありますが、呼吸筋が麻痺することはありません。

キーワード解説

抗GM1抗体
神経に存在する「糖脂質」という物質に対する抗体で、約半数のMMN患者さんの血液中に認められます。自分の神経を攻撃する「自己抗体」として働いている可能性がありますが、病因的意義は不明です。
ルイス・サムナー(Lewis-Sumner)症候群
MMNと同じような病気で、運動障害に加え、軽度の感覚障害を伴うことがあります。

1)Joint Task Force of the EFNS and the PNS. : J Peripher Nerv Syst. 15 : 79-92, 2010 2)梶 龍兒, ほか : 多巣性運動性ニューロパチー(MMN)の全国疫学調査―我が国における現状―.
厚生労働省科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 免疫性神経疾患に関する調査研究班 2010年度研究報告書 : 124-125, 2011

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