免疫グロブリン製剤について

免疫グロブリン製剤とは

人の免疫の中で大きな役割を担っているのが、免疫グロブリン(Immunoglobulin:Ig)(抗体)です。免疫グロブリンは血液中、組織液中に存在しています。免疫グロブリン製剤は人の血漿中から分離・精製し、医薬品として用いられます。

血漿中には、さまざまな抗原(細菌、ウィルスなどの異物)を排除する免疫グロブリン(抗体)が含まれています。

免疫グロブリン製剤の副作用

免疫グロブリン製剤は、抗生物質では効かない重い感染症、血小板が減少する病気、川崎病など、40年以上にわたり他のさまざまな病気の治療にも使われているお薬です。また、子供から大人までたいへん多くの患者さんに使用されています。

点滴施行中・施行後に認められる主な副作用には、以下のようなものがあります

治療開始初期
頭痛、悪寒、筋肉痛、全身倦怠感、発熱、悪心など
治療中、治療後
皮疹、肝機能障害、無菌性髄膜炎など

副作用が認められた場合、免疫グロブリン静注療法をただちに中止し、症状に応じた適切な処置を行います。このような症状があらわれた場合には、主治医にご相談ください。

重大な副作用
ショック、アナフィラキシー、肝機能障害、黄疸、無菌性髄膜炎、急性腎不全、血小板減少、肺水腫、血栓塞栓症、心不全
その他の副作用
発熱、悪寒・戦慄(ふるえ)、チアノーゼなど

*ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013 Clinical Question 15-3 より引用
ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群ガイドライン作成委員会 編集 :
ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013(日本神経学会 監修) : 117-119, 南江堂, 2013

免疫グロブリン製剤の安全対策 ※献血ヴェノグロブリン®IHの場合

人の血液を原料としているため、ウイルスなどの感染性物質の混入の可能性を完全に否定することはできません。そこで、安全性確保のためにさまざまな対策が実施されています。

Ⅰ採血
問診
感染症、海外渡航歴など
問診
ウイルス混入否定試験など
B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、エイズウイルスなど
日本赤十字社
Ⅱ製造
製薬会社
製薬会社
①液状加熱処理
(ウイルスの不活化)
60℃ 10時間
②ウイルス除去膜処理
(ウイルスの除去)
19nm
③低pH液状インキュベーション処理
(ウイルスの除去)
低pH 20~30℃ 14日間
Ⅲ最終製品
安全性確認試験
A型肝炎ウイルス、
B型肝炎ウイルス、
C型肝炎ウイルス、
エイズウイルス、
パルボウイルスB19 など
安全性確認試験
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