VWDの遺伝の仕方は
VWDは、顕性(けんせい)遺伝および潜性(せんせい)遺伝と呼ばれる2つの遺伝形式があり、病型によっていずれかのパターンをとります。
顕性遺伝
1型、2A型、2B型、2M型で多く見られる遺伝パターンです。このパターンでは、細胞の中に2つあるVWF遺伝子のうち、片方だけが正しく機能しない遺伝子(VWDの原因遺伝子)の場合でもVWDを発症する可能性があります。
片方の親がVWDの原因遺伝子を1つ持つ場合(図1)、子どもには50%の確率で原因遺伝子が受け継がれます。原因遺伝子を受け継いだとしても、正常なVWFと正しく機能しないVWFの産生バランスには個人差があり、VWDを発症しない場合もあります1)。
図1:顕性遺伝
潜性遺伝
主に2N型と3型の遺伝パターンです。このパターンでは、VWDの原因遺伝子を2つ持っている場合にVWDを発症します。両親が原因遺伝子を1つずつ持っていた場合(図2)、子どもには25%の確率で原因遺伝子が2つ受け継がれ、50%の確率で原因遺伝子が1つ受け継がれます。
また、片方の親だけが原因遺伝子を2つ持っていた場合(図3)、子どもには100%の確率で原因遺伝子が1つ受け継がれます。片方の親が2N型や3型のVWDを発症していたとしても、その子どもは原因遺伝子を1つしか受け継がないため、多くの場合、VWDを発症しません。
図2:潜性遺伝
図3:潜性遺伝
なぜ1型と2型(2N型以外)では、正常なVWF遺伝子も存在するのに、出血が起きるの?
VWFは血液中で鎖のように繋がって、血管の傷ついた箇所と血小板の橋渡しをします。鎖状のVWFを「VWFマルチマー」といい、長く連なるほど機能が強くなります。しかし、正常な遺伝子とVWDの原因遺伝子の両方がある場合は、正しく機能しないVWFが含まれたマルチマーが作られてしまいます。このマルチマーは、適切な長さになれなかったり、血液中に正常に分泌されなかったり、うまく働かなかったりして、十分な止血を行うことができません。そのため、1型と2型(2N型以外)では、正常なVWF遺伝子を持っていても、出血症状が生じます。
正常なVWFが存在してもVWDを発症する理由(イメージ)2)
VWFマルチマーに正しく機能しないVWFが含まれると、VWFマルチマー全体の働きに影響を与えます。
2)Leebeek FWG, Eikenboom JCJ:N Engl J Med, 2016:375(21), 2067-2080
詳しく知りたい!フォン・ヴィレブランド病


