フォン・ヴィレブランド病とは

フォン・ヴィレブランド病(von Willebrand disease, VWD)は、止血に必要なタンパク質のひとつであるフォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor, VWF)の量が少ない、またはうまく働かないため、出血したときに血が止まりにくい遺伝性の病気です。

主な症状として、鼻血や口の中の出血、皮下出血などが挙げられます。
また、女性の患者さんでは月経の出血が多くなる場合があります。
VWDは、下の表のとおり大きく3つのタイプ(病型)に分類されます。

病型 特徴 患者さんの
割合1)
1型 VWFの量が少ない 60~70%
2型 VWFがうまく働かない 20~30%
3型 VWFが全くない
(もっとも症状が強い)
5~10%

とくに2型は、さらに以下4つの病型に分けることができます。

  • 2A型:強い働きをもつ、長く連なったVWFマルチマー(VWDの遺伝の仕方は?参照)がない
  • 2B型:VWFと血小板の結合が強すぎて、VWFマルチマーを消費してしまう
  • 2M型:VWFが血小板やコラーゲンとうまく結合できない
  • 2N型:VWFと第Ⅷ因子(止血の仕組みとVWFの役割は?参照)が結合できず、第Ⅷ因子の活性が低下する

正しく機能しないVWF遺伝子が親から子どもに受け継がれることで、VWDは遺伝します。ただし、両親のどちらかまたは両方がVWDだったとしても、その子どもが必ずVWDを発症するわけではありません。(VWDの遺伝の仕方は?参照

VWDはどれくらいの頻度で
発症するの?
遺伝する出血性の病気の中では患者さんの数がもっとも多く、出血症状を示す患者さんは人口1万人当たり1人程度と考えられています2)
VWDの病名の由来は?
この病名は、初めてこの病気を報告したフィンランドのエリック・フォン・ヴィレブランド医師の名前に由来します。
1)Seidizadeh O et al.:Nat Rev Dis Primers, 2024:10(1), 51
2)一般社団法人 日本血栓止血学会. von Willebrand病の診療ガイドライン 2021年版:血栓止血誌, 2021:32(4), 413-481