第2回 困った研修医に対して
福井大学医学部附属病院 総合診療部 教授
林 寛之 先生
審J2501261(2025年3月更新)
みんな素直で優秀で気の利く研修医だったら、こんなにラクなことはない。そんなことは、もちろんあるわけない!
研修医もデキのいいのから悪いのまで多様性に富んでいるからこそ面白いもの。もし、あなたが昔ながらの“厳しくてなんぼ”のスパルタ教育がしみついて、「最近流行の指導法なんてさせられて、なんだか腑抜けになってしまった」と嘆いていたら…。決して腑抜けになる必要はない。ぐっとこらえて優しく指導した方が学習効果は高いのだ。自分が気分良く怒鳴り散らすのは、学習効果も低く、ただのマスターベーションにすぎない。・・・とはいえ、理不尽なことをしでかした研修医には、きちんと叱ることが必要。今回は、その“より効果的な叱り方”をレクチャーしよう。

最近では、一度社会人を経験した後で医学部に入り、医者を目指す人も少なくない。そういった年長者の研修医の場合、フレッシュな若手研修医に比べて、早く収入を安定させたいがための必死さ、年齢的なプライドがあるゆえの身構えをひしひしと感じるときがある。それだけに、まだ幼さの残る年少組に比べて独立心や自己顕示欲、責任感も強いのだ。その強い意志とプライドが邪魔をするのか、
あなたは医療人として、自分の技術、信念に自信はあるかな?もし、「もちろん!」と即答できたら、ちょっと注意が必要。得てして、自分に確固たる自信を持っている人は“分からない人の気持ちが分からない”、教え下手が多いからね。それに、短気ときたら大変だ! 研修医に質問されると、「そんな簡単なこといちいち聞くな!自分で調べろよ!」と、つい邪魔臭くて怒鳴ってしまう。なかには、自分が分からないと余裕を失って相手を突き放してしまったり・・・。そんな症状を僕は
