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Training 09腰痛1

今回は腰痛のリハビリの基本的な事をお話ししたいと思います。日本人の腰痛は、厚生労働省の国民生活基礎調査によると、自覚症状の中で男性は1位、女性は肩凝りに次いで2位と高い順位を占め、生涯一度も腰痛を経験しない人は1割程度と言われています。当院に来院される血友病患者さんの中にも腰痛を訴える方は少なくありません。腰痛は、原因が特定できる腰痛(特異的腰痛)は全体のわずか15%程度しかなく、腰痛の85%は原因がはっきりしない腰痛(非特異的腰痛)です。特異的腰痛の主な原因は椎間板ヘルニア(4%)、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)(4%)、圧迫骨折(4%)、感染性脊椎炎(1%)、尿路結石(1%)などが挙げられます。欧米では魔女の一撃と呼ばれるぎっくり腰は、「腰椎捻挫」や「腰部挫傷」という診断名が付けられますが、厳密にどの組織が負傷しているのかをX線や診察で断定することが難しい為、非特異的腰痛に分類されます。非特異的腰痛は、検査上では治っているのに症状が改善せず慢性化することがあり、また一旦良くなっても繰り返し再発することが知られています。原因としては、血流の減少、筋力低下、筋肉のこわばり、凝りの他、痛覚の知覚過敏、心因性の要因(トラウマやストレス)、生活習慣(腰への負担作業、運動習慣、喫煙本数)などが挙げられ、これらの要因が複合的に症状を引き起こしていることが考えられます。腰痛のリハビリの基本的な考え方は、腰痛を増悪させる要因をできるだけ避け、複合的な要因のひとつひとつを改善する作業を行っていきます。

リハビリで対象となる腰痛増悪因子(ようつうぞうあくいんし)と対策

重量物運搬 腰部への負担の少ない重量物の運搬姿勢の学習を行います。
筋力低下 下肢・体幹の筋力増強トレーニングを指導していきます。
急激または
不用意な動作
腰痛を起こしやすい場面を想定した動作を繰り返し練習することにより、急激・不用意動作に対応できるようにしていきます。
長時間の振動 特に自動車乗車時の姿勢が当てはまります。座面のクッションや背もたれの工夫で対応していきます。
腰痛増悪姿勢 長時間の静的姿勢(拘束姿勢)、中腰(おじぎ姿勢)、ひねり、後屈捻転(うっちゃり姿勢)に対する、正しい姿勢の学習や座位・立位バランス学習を行っていきます。
寒冷 特に足元が冷えないように予防策を検討することや、足湯や半身浴などを指導していきます。
心理的要因 腰痛発症姿勢への恐怖認知へのアプローチ、心理的ストレスのカウンセリングなどを行っていきます。
滑りやすい床面 滑り止めマット、履物の指導、インソール作成などで対応していきます。
肥満体型 肥満解消のダイエットエクササイズを指導していきます。

腰痛は予防することがとても大切です。繰り返し腰痛が起こらないように、腰痛対策の正しい知識を身に付け、日ごろから気を付けていきましょう。