• 上手にダイエット

Training 06上手にダイエット

今回は減量と運動について理学療法士の観点からお話ししたいと思います。下肢の関節症がある方にとって体重コントロールはとても重要です。例えば膝関節では、歩行時で体重の3倍、階段の下り時は5倍もの負担がかかるといわれており、体重を数kg軽くすることで動作時に何十kgも関節への負担を減らせることになります。体格指数BMI=体重kg÷(身長m×身長m)が24より大きい数字になった方はぜひ減量にチャレンジしてみてください。減量の基本的な考え方ですが、「1日の食事や飲み物で摂取したカロリー(総摂取カロリー)が、基礎代謝量+運動や活動で消費したカロリー(=総消費カロリー)より少なければ体重が減り、逆に摂取量が多いと体重が増える」です。一日の総消費カロリーは、活動内容によって大きく差があります。

カロリー消費は主に筋肉の燃焼で行われます。筋肉量を減らさず、食事で摂取するカロリーを減らし、体脂肪率を下げることが減量成功のカギです。体脂肪1㎏=7200kcalです。体重(kg)×距離(km)=消費カロリーで、体重60㎏の人がウォーキング5kmで消費するのが300kcalなので、脂肪1㎏減らすのに5kmウォーキングを24回行わないといけない計算になります。このように運動だけで減量するのは大変ですので、食事量のコントロールと組み合わせることが重要となります。

一日の総消費カロリーの例

  • デスクワーク約2300kcal
  • 肉体労働者約3000kcal

学習方法

バランス良い食事が摂れているか、摂取カロリーは足りているかなどをチェックするのに、食事内容の記録を毎日付けることはお奨めです。減量は短期間で結果を出そうとすると無理してしまう傾向になるので、数ヶ月単位で数kg程度と目標を低く設定して少しずつ行うことが大切です。腎臓や心臓などに内科的な疾患の持病がある方は、減量を始める前に必ず主治医にご相談ください。また体調に異変を感じた場合は、すぐに減量を止めて主治医にご相談ください。

食事量を制限するうえで
注意すること

水分を十分に摂り、脱水症に気を付ける

水分摂取を減らすと体重が急に落ちますが、過度に水分摂取を制限すると命を落とす危険があります。基本的に体外に排出された水分量は確保しなければなりません。運動で汗をかいた時には十分に水分を摂るようにしましょう。

基礎代謝量(生命維持に必要最低限のエネルギー)を
下回らないようにする

基礎代謝量は年齢や体重や体質によって変わりますが、30~50歳の標準的な体格だと約1500kcalです。摂取カロリーが基礎代謝量を下回ると飢餓状態となり、体内の蛋白質がエネルギーとして使われるため筋肉量が減り、基礎代謝量が落ち、エネルギーを蓄えようとする働きが強くなる為、せっかく減量したのに元の体重以上に戻るリバウンドしやすい体質になってしまいます。

食事はなるべく自然の食材から1日30品目、
五大栄養素をバランス良く摂取する

三度の食事をダイエット食品のみで済ますなど、偏った栄養摂取を続けると、抵抗力が落ちて風邪をひいたり、腸の働きが落ちて便秘や下痢になったりといった体調不良により運動量が思うように確保できなくなり、減量に失敗する例をよく見かけます。