日常生活における注意

日常生活を送るうえで、注意することは何ですか?

以下のようなことに注意してください。


その他に日常生活での疑問点を抱えている方は「みんなの木 –血友病Q&A-」をご覧ください。
患者さんが生活するうえで抱える様々な疑問・お悩みに、カウンセラーの先生がお答えします。


みんなの木 -血友病 Q&A-

出血を記録する

記録をつければ、どんな時に出血したか、どんな対応が効果的かなどがわかります。受診時にそれを見せ、病気の状況を主治医に理解してもらえば、コミュニケーションのとれた、よい関係作りができます。記録内容は、出血の日時、箇所、痛みや腫れの有無、対処法(製剤の点滴か内服か、圧迫のみかなど)や効果、製剤の投与量など、わかる範囲でかまいません。主治医の指導内容や主治医に確認したいことなどを書きめておくにも便利です。HEMOPHILIA NOTEBOOK (血友病手帳)(図1)を使うと便利です。ご希望があれば主治医に申し出てください。


(図1)HEMOPHILIA NOTEBOOK

飲むのを避けたい薬

解熱・鎮痛剤は、止血を妨げる作用があるので、これらの成分を含む薬はむやみに飲まないでください。ただし、疼痛とうつうが強い場合、主治医に相談してください。 薬局・薬店で売っているかぜ薬や解熱・鎮痛剤を購入する際は薬剤師に成分を確認してください。

緊急時を想定した準備

普段から緊急時の連絡方法や、夜間、日曜・祝日に受診できる医療機関を確認しておくことが大事です。患者カード(図2)を作成し、携帯することをお勧めします。ご希望があれば主治医に申し出てください。

(図2)患者カード(左;日本語版、右;英語版)

事故や災害時には、血友病患者さんとして適切に対処されなくてはなりません。名前、生年月日、住所、電話番号、血液型、病名、使用製剤名、病院名、病院の電話番号、主治医名などを記入したカードを用意しておくと便利です。ただし、大切な個人情報ですから、落としたりなくさないよう十分に気をつけてください。


生活上の細かな制約はあまりないよ

就職や結婚をする時

必要であれば、主治医や医療スタッフが病気について説明することが可能です。その際は相談してください。

旅行する時の対策

国内旅行や海外渡航する場合は、旅での対応について、事前に主治医に相談しておくと安心です。特に、海外渡航する場合は、血友病を証明するものがあると良いです。手荷物検査などで携行している製剤について指摘された場合を考慮し、あらかじめ主治医にお願いして、英語または旅行先の言語で海外渡航用の証明書を記載してもらうと良いでしょう。

歯磨きの重要性

虫歯や歯周病になると歯茎が弱くなり出血しやすくなるため、普段からきちんと歯磨きをして虫歯を予防することが大切です。歯磨きの際は、歯茎を傷つけないように注意しながら、歯と歯茎の間の汚れを落とします。出血しても少量であれば問題ありません。

予防接種について

基本的に受けても問題はありません。主治医と連絡を取りながら進めましょう。注射の後は数分間押さえ、その後出血がないかをチェックしてください。

出血しないことを、第一に心がけていてね

保育園、幼稚園、学校での生活

特に制約はありません。ただ、出血すると止まりにくいことや、その対処法(出血した場合には、どのように対処すればよいですか?参照)(安静=Rest, 冷却=Ice, 圧迫=Compression, 拳上きょじょう=Elevation:これらをRICEといいます)などを園や学校側に説明しておくとよいでしょう。緊急時の家族への連絡先を伝え、出血が止まりにくい時には連絡してもらいましょう。園や学校への説明資料を使うと便利です。必要であれば、主治医が園や学校側に病気の説明をすることも可能です。その際は主治医に相談してください。

監修:
藤井 輝久先生
広島大学病院 輸血部 准教授