どんな検査?
診断ばかりでなく、病気の勢い、回復の程度などをみるためにも重要です。それぞれの検査の意味を知っておくと、自分の状態を正しく把握できます。
血液検査
血清筋原性酵素
筋組織の中にある酵素で、筋に炎症がおこって組織が破壊されると、血中に出てくるために増加します。
- クレアチンキナーゼ(CK)
- アルドラーゼ
- ALT、AST、LDH
ミオグロビン
筋組織特有のたんぱく質です。筋組織が壊れると外へ出るため、血中や尿中での濃度が上昇します。
筋炎特異的自己抗体
多くの患者さんでいくつかの特定の自己抗体※が血中にあらわれることがわかっています。自己抗体の種類によって症状が異なる傾向があるため、診断だけでなく治療方針の決定にも役に立ちます。
※抗ARS 抗体(抗Jo-1 抗体を含む)、抗Mi-2 抗体、抗TIF1-γ抗体、抗MDA5 抗体などがあります。
CRP(C反応性たんぱく質)
からだの中で炎症反応や組織の破壊がおきているときに血中にあらわれるたんぱく質です。
身体機能検査
食事・更衣・移動・排泄など、生活をする上で不可欠な基本的動作(日常生活動作:ADL)や階段昇降などの労作がどのくらい容易に行えるかを調べる検査です。
ADL:Activities of Daily Living

徒手筋力検査(MMT)
筋力テストのひとつです。器具を使わず、検査する人が手で患者さんのからだに対して抵抗を与え、筋力を調べます。
MMT:Manual Muscle Testing

生検検査
筋炎が疑われる場合に行われるのが筋生検で、筋組織を一部採取し、顕微鏡で観察して筋炎の有無や様子を確かめます。また、皮膚症状のある場合には、皮膚生検で皮膚組織を一部採取して同様に炎症の有無や様子を確かめます。
磁気共鳴画像(MRI )検査
磁気を使って、からだに傷をつけることなく広い範囲の筋組織で炎症を思わせる異常がないかを検査する方法です。
MRI:Magnetic Resonance Imaging

筋電図
筋組織に細い針を刺して、筋線維から発生する電気(活動電位)を記録します。この検査により、筋炎の有無や、筋力低下の原因が筋自体なのか、神経なのかを推定することができます。
レントゲン・CT撮影
多発性筋炎・皮膚筋炎の患者さんは間質性肺炎を合併しやすいため、胸部レントゲンやCT撮影でその有無を調べます。