第29回 敵を知れば・・・・
福井大学医学部附属病院 総合診療部 教授
林 寛之 先生
審J2501288(2025年3月更新)
「最近の若者は・・・」という言葉は古今東西、昔から何度も繰り広げられてきた。我々の世代は「新人類」と呼ばれ、現代は「ゆとり世代」、そのうち「宇宙人」にまでなってしまうんじゃないかしら?我々だって、リーゼント(ちょっと古すぎ?)や長ランが流行り、今はお尻まで見えるんじゃないかというようなズボンをはき(腰パンというらしい)、高校生の頃は超短いスカートをはいていた若者たちと一緒に働いているのだ。飲み会で私服で集まると、あまりの変わりように上級医の方が腰が抜けそうになってしまう。これぞ異文化交流でなくてなんぞや。
どうしても発言権が上級医にあるものだから、最近の若者は、となってしまうが、実は研修医の質は新臨床研修制度が発足してから、確実に広く浅く基礎を固めた研修医が増えたのは間違いない。自分が研修医の頃よりもはるかに短期間で、今の研修医達は医療の王道を学んで身につけている。決してゆとり世代=(イコール)ダメではないのだ。
上級医も研修医達のいい面に目を向ければ、実はいい人間関係が結べ、指導への熱の入り方もスマートになること請け合いだ。さて異文化交流のコツはどのあたりにあるのだろうか。