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ホスピタルビュー2020.3Vol.41図3■入院曜日割合と手術件数の推移患者情報の取得や麻酔科医の診察を外来で終えているため、病棟での業務が最小限になり、日曜入院・月曜手術も定着。また、術前中止薬の管理によって手術中止が減少するなど、PFM体制は手術件数の増加に貢献している。同院のPFMに携わるもっともユニークな職種が、医師事務作業補助者(Doctor'sAssistant、以降「DA」)です。周術期管理において、DAは麻酔科医による術前評価(カルテ診)や周術期外来の補助業務を行っています。術前評価では優先順位に沿ったカルテの準備や、主治医と担当看護師への評価結果の報告を、周術期外来では緊急性を考慮して診察順を決め、診察に同席して麻酔科医をサポートします。周術期管理以外でも、各種データや書類の代行入力、患者説明時の資料の準備、パスの微調整や患者さんの予定確認・検査予約など、支援室のDAの業務は多様です。DAの恵星まどか氏は、振り返り、「生みの親は経営側にいる私だが、育ての親は「業務の標準化と看護師や他職種による指導が充実し運営の仕組みをつくり上げてきた看護師だ」と強調しまているので、安全性を担保しながら業務を遂行することす。中島氏は、「部門全体がPFMの目的を理解して取りができる」と、体制の整備が日々のDAの業務を支えて組んできた。今後は、昨年から開始した緊急入院患者さいると話します。“本来の働き方改革”で経営にも貢献緊急入院にも拡がるこれからのPFMんへの介入も充実させていく」と意欲を見せています。地域医療構想などによってさらに機能分化が進み、急性期病院の運営においてPFMの重要性はますます高まっていきます。常に進化を続ける佐久医療センターこのような充実したPFM体制は、病院経営にも貢献しのPFMに、これからも目が離せません。ています。たとえば、手術件数の増加です(図3)。PFMによって入院曜日の偏りが減少し、また、外科医や手術室看護師が手術に集中できる環境が整備されたことによって、外科医の増員がほとんどないにも関わらず、同院の手術件数は右肩上がりです。西澤先生はこういった数字を説明しながら、「本来業務に専念できる環境づくり─これが当院のPFMの成果であり、“本来の働き方改革”による経営改善だ」と胸を張ります。PFM導入から6年。西澤先生はその体制構築の過程を長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院佐久医療センター所在地/長野県佐久市中込3400番地28病床数/450床企画・発行BA-XKS-411A-2020年3月作成審J2002321