hospitalview.vol41


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ホスピタルビュー2020.3Vol.41ことで、治療に関する疑問や不安を解消したり、退院後の環境を評価してMSWの支援につなげるなど、医療的なリスクはもとより、心理的、社会的リスクにも早期に対応することができます。入退院支援業務の集中化は、外来や病棟スタッフの負担軽減とともに、入院患者さんのさまざまな不安の軽減にも貢献しているのです。“標準化”が可能にする効率的で自律的な入退院支援業務PFM体制のもう1つのベースは、“標準化”です。従栄養科管理栄養士主任鈴木さやか氏医療秘書課医師事務作業補助者(DA)恵星まどか氏来、入院前の流れや対応は、各診療科や医師それぞれして入院日の再調整まで行います。また、すべての検査のやり方で進められていました。しかし、業務の進め方結果は支援室が確認していますが、異常があれば“専門をその都度確認していると、効率的かつ自律的な支援は医の診察が必要と考えます。予約を進めて検査結果をもとより、医師の負担軽減も困難です。そこで、中島氏ら報告しますがよろしいでしょうか”と主治医に報告。「主看護師は医師の理解と協力を仰ぎ、入退院に関わる治医は検査値を確認してGOサインを出すだけで、支援業務や流れの標準化を進めてきました(図2-①)。室の業務フローが動き出す」(中島氏)ということです。たとえば、クリニカルパスは患者さんの治療の流れを標準化し、退院や転院を計画的に行うためのツールです。同院では、医師と他部門の協力のもとに支援室のパ入退院支援室の看護師を中心に機能する多職種連携による周術期管理ス専任看護師が中心となってパスを作成し、登録数は現同院の入退院支援業務でもっともウエイトを占める在269種類に上ります。その結果、予定手術入院での使周術期管理は、このような集中化と標準化を基盤に多職用が増え、パス適用率は73%まで向上。100%適用し種が参画し、幅広い業務で構築されています(図2‐②)。ている診療科も多く、標準化は順調に進んでいます。周術期管理をトータルに進める役割を担っているの標準化した業務を進めるためにもっとも現場で活用さが、支援室に所属する19名の看護師です。もっともれるツールが、「入退院支援室依頼指示書」と「フロー患者さんに近い立場として多様な業務を行っており、たチャート・チェックリスト」です。指示書は、標準化を図りとえば中止薬の管理では持参薬管理室の薬剤師と連携つつ治療の個別性にも対応するために、胃手術、開心し、休薬確認の電話訪問も行っています。術など、疾患や手術に応じて107種類が用意されてい「支援室との連携によって、より多くの患者さんにます。入院や手術が決まると、医師は指示書に日程、必栄養状態の早期のアセスメントと指導が可能になり、術要な検査、使用するパスなどについて記載し、指示を出後の良好な予後に貢献できるようになった」と話すのします。入院にあたって医師が行う主な業務はこれだけは、管理栄養士の鈴木さやか氏です。センターには管理で、後は支援室が中心となって指示書に沿った入退院支栄養士が常駐し、指示書と患者情報をもとに入院食の適援業務を進めていきます。正化や外来栄養指導を行っています。2016年度の診「フローチャート・チェックリスト」は、指示への対応を療報酬改定でがん患者さんが外来栄養指導料の算定対標準化し、それぞれフロー図にまとめたものです。たと象となったことも後押しとなり、月に100件程度だったえば、主治医が手術入院前に糖尿病の診察を指示した外来と入院前の栄養指導件数が、今では150件に増加場合は「周術期血糖コントロール依頼フロー」に則り、しました。また、入院期間が短期化する中、支援室と管追加検査や眼科検診、問診まで支援室で完了。診断に必理栄養士が「NST低栄養患者抽出フロー」に則って、入要なデータを揃えてから糖尿病・内分泌内科へ紹介し、院前から低栄養の患者さんの絞り込みを開始。各病棟と術前コントロールが必要と診断されれば主治医へ報告連携し、入院直後からNSTが早期介入を行っています。


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