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ホスピタルビュー2020.3Vol.41近年の急性期病院では、入院前から始まる入退院支援、いわゆるPFM(PatientFlowManagement)への取り組みが拡がっています。2014年に佐久総合病院(長野県佐久市)から高度急性期の機能を分割して開院した佐久医療センター(同市)は、PFMは急性期病院の経営には不可欠と判断。開院と同時に患者サポートセンター内に入退院支援室を設置し、PFMを先駆的に進めてきました。今回は、同院におけるPFMの運営体制についてお話をお聞きしました。長野県厚生農業協同組合連合会佐久総合病院・佐久医療センター副統括院長西澤延宏先生PFM体制の構築で進めるこれからの急性期病院の経営改善現場スタッフの負担軽減と業務の効率化が患者満足度と医療の質を向上させる佐久医療センターは、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院として高度急性期医療を地域に提供しています。DPC特定病院群である同院の平均在院日数は10.7日で、病床利用率は89%(2018年度)。この良好な運営の大きな支えとなっているのが患者サポーいかなければ経営が成り立ちません。一方、患者像も変化しています。高齢化とともに併存症を持つ患者さんが増え、安全に手術を行うには病歴の把握や中止薬の管理の徹底が必要です。また、独居や老々介護、経済状態の問題など、病態以外の理由で退院が困難となるケートセンターによるPFMです。スが増えてきました。PFMの導入と同センターの立ち上げに携わった副統括院長の西澤延宏先生は、「PFMとは予定入院患者さんの情報を外来段階で把握して問題解決を図り、効率的に入院前から退院後までの流れをマネジメントすること。経営的観点から注目されているが、その背景には急性期医療を取り巻く環境変化がある」と説明します。「もっとも問題になってくるのが、こういった変化による現場へのしわ寄せだ。重症度、医療・看護必要度の高い患者さんが次々に入れ替わり、医師や看護師は入退院関連業務の増加に疲弊している。患者さんとのコミュニケーションの時間が十分に取れなくなると、退院時に“追い出された”と苦情が出るなど、経営的にも悪循環に陥っ医療制度改革による機能分化やDPC制度によって、てしまうだろう」と西澤先生は指摘します。平均在院日数の短縮化が進んでいます。急性期病院では新規入院患者数を増やして病床利用率を上げ、より多くの患者さんに、質の高い医療を効率よく提供してこのような経営課題の解決策として評価されているのが、入退院を円滑に進めるPFMです。同院では外来や病棟の医師・看護師の負担軽減にフォーカスしたPFM


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