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ホスピタルビュー2020.1Vol.40中核病院として地域医療を支える総合病院土浦協同病院(茨城県土浦市)は、長年にわたって安定経営を続けてきました。しかし、新築移転に伴う事業費で経営状況は大きく悪化。かつてない事態に直面した同院は、統轄病院長の酒井義法先生(当時:統轄病院長補佐)と統轄病院長補佐の清水純一先生を中心に職員が一丸となって抜本的経営改善に取り組み、見事にV字回復を果たします。今回は、酒井先生と清水先生に改善への取り組みについてお話を伺いました。茨城県厚生農業協同組合連合会総合病院土浦協同病院統轄病院長酒井義法先生経営改善にウルトラCはない─職員の協力と連携が新病院の土台と骨組みを再建成功体験を共有し業績回復を勝ち取る総合病院土浦協同病院が新築移転を行ったのは備えています。また、病院周辺には附属看護専門学校、2016年3月。“メディカル・エコ・タウン(医療環境経済都全職員対象の保育所、職員用住宅などを集約。徐々に店市)”をコンセプトに掲げ、トップレベルの規模・質を持つ、舗も立ち揃い、“メディカル・エコ・タウン”が姿を現してき地域に開かれた病院を目指して800床で開院しました。ました。「“困った方がいれば誰でも受け入れる”という救命救急センター、総合周産期母子医療センター、理念はこれまでとまったく変わらない。すべての住民が地域がんセンターを中心に高度医療を提供する新病高度で安全な医療を地域で受けられるよう、医療拠点院では、手術室、内視鏡室、化学療法室などを増室・増となる病院を目指した」と、酒井先生は地域への思いと床。CTとアンギオ装置を併設したハイブリッド手術室や新病院の存在意義を語ります。MRI手術室を新設し、さらにトップレベルの実績を持つしかしその一方で、新病院の開設事業費は予想以上カテーテル・アブレーションをより多くの患者さんに提供に膨らみ、開院年度の業績が大幅なマイナスを計上しできるよう心臓カテーテル室を8室設置しました。てしまいます。かつてない状況に職員も戸惑いを隠せ災害拠点病院としての役割も、同院の重要な柱のない中、統轄病院長補佐(当時)として経営側から業績1つです。水害の恐れの少ない高台に建つ高度な免震の早期立て直しという大仕事を託された酒井先生は、機能を施した新病院には、自衛隊の中型ヘリコプター「“できるだろうか”ではない。地域の患者さんと職員のの離着陸が可能な地上型ヘリポートを設置し、風力発ために“やらねばならない”」とその重責を受け止め、電や井水の併用など、エコの視点も持つ設備を随所に清水先生とともに1つずつ対策を講じていきます。長く