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図1■機能特化に向けた病院体制の再構築の取り組みホスピタルビュー2019.9Vol.39名とともに、3ヵ月に1度、2日間かけて26の全診療科をラウンドします。「副傷病名は診療科ごとに認識されているか」「在院日数短縮にパスを活用しているか」など、経営上で重要なテーマを選び、現場で直接指導を行っていきました。時間と手間はかかりますが、院長が各診療科のトップと話し合うのを目の当たりにし、今なぜ病院がそれを問題視し、どう解決すべきかをスタッフが理解しま図2■7対1看護体制実施に向けロードマップを作成シミュレーション体制の開始からベッド数削減実施などのマイルストーンを設置。看護部や診療科と状況を確認しながらステップバイステップで進行した。す。また、自治体病院では市の職員が事務スタッフとしては考え方を変えるのが難しかったようですが、改革が進派遣されるため、同行を通して医療現場を理解させるむにつれて経営への意識が浸透。現在はほぼ満床で稼ことも目的の一つだったそうです。特に医事課には、金動するようになり、収益に大きく貢献しています。また、岡先生が医師に厳しい指導を行うのを見て、積極的に加救急医療管理加算についても、KPIの設定によって確認算を取りにいく重要性を十分に理解してほしいと考えて意識が高まり算定率が向上しました。中には、毎日早朝いました。から電子カルテを開いて算定漏れがないか精査する医また、すべての職種が経営意識を持つよう、拡大幹部師もいたそうです。重症度、医療・看護必要度のデータの会に臨床工学技士やリハビリ職など、診療協力部門の各最適化も多職種が協力して徹底されるなど、今では一人トップを加えました。新たにKPI(KeyPerformanceひとりが改革を支える頼もしい存在です。「“経営に貢献Indicator:重要業績評価指標)も導入し、診療科別のしたい”という小さな種が、すでに職員一人ひとりの中に新規入院患者数や平均在院日数などを毎月貼り出してあったのだ。自分も病院経営者の一員だと意識を変える他科との違いを知らしめ、競争意識とそれぞれの見直しことで、その種が一気に芽を出し、大きく成長して改革とを促しました。いう実を結ぶことができた」と金岡先生は語ります。最初はなかなか目に見える変化はありませんでしたが、意識改革は徐々に成果として現れ始めます。たとえばICUと救急病棟は、緊急症例に備えて常に空床を確保地域医療連携のさらなる充実にフォーカス大病院の改革はこれからも続くしていたこともあり、病床稼働率は約50%で推移していこのような急性期病院としての地固めや職員の意ました。運用の見直しを指示したところ、スタッフも最初識改革が奏功し、平均在院日数は2年間で約2日短縮