hospitalview.vol38


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図1■小児センター、PICUでの多職種連携サブスペシャリティを持った小児専門医と一般診療科医、コメディカルがチームとなって診療にあたっている。内科から外科まで幅広い専門性による充実した体制が基盤当院の小児関連の診療科は、小児科、小児外科、小児脳神経外科で構成されています。入院治療は、8床のPICUと隣接する42床の小児センターが担い、PICUには(石森先生ご提供資料より作成)院内の診療科や多職種と連携し小児のチーム医療をシームレスに展開小児集中治療医2名が専従配置されています。24時間体このような小児領域の専門医は、いつでも互いをサ制であらゆる重篤な患者さんを受け入れるPICUは、小ポートする密な連携体制によって高い相乗効果を発揮児の救命において要となる部門です。しています。この連携には他の診療科や多職種も含まれ私が責任者を務める小児センターは、PICUの集中治ており、“AllKids'”の思いに根ざした院内横断的な小児療を脱した患者さんを含め、内科から外科まですべてのチームを形成しています(図1)。領域を対象とする小児病棟です。当センターでは、幅広小児の診療では、小児科医がファーストタッチを担当い専門性を持った医師がそれぞれの領域の患者さんのして鑑別診断を行い、その後は小児の各専門医が、ま主治医となって入院治療を行っています。た、領域によっては一般診療科医が引き継ぎます。当院小児科には、小児集中治療医をはじめ、小児循環器やは小児の外傷を多く診療していますが、頭蓋骨骨折は小児神経、小児アレルギー、私が専門とする小児腎臓な小児脳神経外科医が担当し、手の骨折は整形外科とど、様々な領域をサブスペシャリティとする小児科医が連携して小児を得意とする整形外科医が診療する、と所属しています。たとえば小児循環器の専門医は、先天いった具合です。小児センターにおいても、外科的治療性の重度の心臓病患者さんを当院のNICUから引き継を受けたこどもが熱を出せば小児科医がサポートにぎ、シームレスな専門治療を行っています。入り、熱傷症例では形成外科医が処置を、小児の手術は小児外科と小児脳神経外科では、救急症例も含めた麻酔科に所属する小児麻酔科医が担当します。外科的治療にあたっています。小児外科では、精巣捻転質の高いチーム医療には、多職種によるサポートもや腸重積などの緊急手術、NICUで救命された超低出生不可欠です。MSWや地域連携に関わる職員も、こどもと体重児が在宅で人工呼吸管理を行うための気管切開家族に寄り添って治療と生活を支える重要なスタッフや、胃瘻造設などの手術も行っています。一方の小児脳です。また、リハビリテーション部門では、小児に特化し神経外科は、当院のような一般病院にはまだ少ない診た理学療法士・作業療法士・言語聴覚士総勢6人がチー療科ではないでしょうか。当院ではその歴史は長く、特ムとなって、PICUの時点からリハビリテーションプランに頭の形の異常では、手術が必要な症例が全国から紹を作成し、早期離床に向けたリハビリを開始します。一介されてきます。脳疾患をはじめ、転倒や交通事故など般的に、小児の急性期リハを熟知した理学療法士は少による頭蓋内出血などの緊急手術にも対応する小児脳ないとは思いますが、当院ではこどもの担当を決めて、神経外科は、重症者の受け入れに大きな力を発揮してPICUから小児センター、回復期から在宅ケアに至るまきました。で、継続的なリハビリを行っています。市中病院であるにも関わらず、小児の多様な専門領このように、こどもの治療に携わる医療者はそれぞれ域の医師が集まった充実した環境が、当院の小児医療が小児チームの一員です。コンサルトを依頼すると、どの基盤であることは言うまでもありません。の医師もベッドサイドに駆けつけてくれます。スタッフが


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