敗血症*に対する
免疫グロブリン療法
※献血ヴェノグロブリンIHの効能又は効果:重症感染症における抗生物質との併用上記の効能又は効果に関連する注意:適切な抗菌化学療法によっても十分な効果の得られない重症感染症を対象とすること 「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は電子化された添付文書をご参照ください。
重症細菌感染症に対するヴェノグロブリンIHと抗生物質との併用効果を検証する市販後臨床試験(再評価臨床試験成績)
正岡徹他:日本化学療法学会誌2000; 48(3): 199-217国内のIVIG製剤製造・輸入メーカー8社がIVIG研究会に委託した臨床試験
試験概要
目的
静注用人免疫グロブリン製剤(以下IVIG)の適応症である重症感染症に対する抗生物質との併用について厚生省から再評価指定を受けたことに伴い、IVIGと抗生物質との併用効果を化学療法単独治療と比較検証する。
試験デザイン
多施設共同非盲検群間比較試験(国内141施設)
対象
広範囲抗生物質を3日間投与しても感染主要症状の十分な改善が認められない以下の重症感染症の入院患者682例(IVIG群:339例、抗生物質単独投与群:343例)
投与方法・投与期間
前治療の抗生物質をイミペネム・シラスタチンナトリウム(IPM/CS)とアミカシン(AMK)に変更し、IVIG併用群は1日5g、3日間上乗せ投与した。いずれの群も抗生物質は7日間投与した。
評価項目(検証的解析項目)・評価基準
- 解熱に要した日数:試験第7日目を最終日とし、最高体温について37.0℃以下が3日間以上持続した場合を「解熱」とした。
- 臨床症状の消失に要した日数:試験第7日目を最終日とし、症例登録時に登録した感染症に伴う主要臨床症状の消失が3日間以上持続した場合を「改善」とした。
- 検査所見(細菌学的効果とCRPの推移):試験第7日目を最終日とし、細菌学的効果については起炎菌の陰性化を「改善」とし、CRPの推移については3段階改善または陰性化を「改善」とした。
- 有効度:解熱効果と臨床症状の改善効果または検査所見の推移から、判定基準にしたがい判定した。
判定基準
判定に必要なデータを数値化し、コンピューター処理(検証可能なアルゴリズム)により自動判定する方法で行った。
有効度の判定は、解熱効果と臨床症状の改善効果または検査所見の推移から高久らの判定基準を参考に作成した判定基準用い、有効以上の有効率を求めた。
解析計画(統計学的有意差:p<0.05)
解熱率及び臨床症状の消失率 解熱に要した日数:37℃以下が3日間持続した最初の日を解熱日とし、解熱をeventとしてtime-to-eventの解析を、臨床症状の消失に要した日数:主要臨床症状が3日間以上持続して消失した最初の日を消失日とし、消失をeventとしてtime-to-eventの解析をKaplan-Meier法にて行い、両群の差については一般化Wilcoxon検定により検討した。なお、打ち切り例のうち、感染症悪化による早期死亡例とseptic shockによる無効例については、第7日目までに解熱あるいは臨床症状が消失しなかった症例(8日打ち切り例として扱う)と区別し、9日打ち切りとして扱った。
細菌学的効果及びCRPの推移 起炎菌の陰性化率についてχ2検定を実施した。CRPの推移については、定量値の投与前からの変化率を求め、両群間についてraditスコアを用いた順位検定(Cochran-Mantel Heanszel(CMH)型の検定)を実施した。評価基準に用いたカテゴリー値の前後差についてraditスコアを用いた順位検定を実施した。
有効度及び有効率
有効度は評価を点数化(著効=1、有効=2、やや有効=3、無効=4)し、群間の平均スコアの差についてMantel 検定(CMH型の検定)を実施した。また、「有効」以上の有効率についてχ2検定を実施した。
有効度及び有効率 有効度は評価を点数化(著効=1、有効=2、やや有効=3、無効=4)し、群間のスコアの差についてMantel検定(CMH型の検定)を実施した。また「有効」以上の有効率についてχ2検定を実施した。
結果
解熱及び臨床症状の消失率(検証的解析結果)
1)解熱までの日数 最高体温が37.0℃以下(3日間以上持続した場合)を解熱と判定した。有効性評価症例のKaplan-Meier 法による解熱率は、IVIG群54.8%、対照群37.2%で、IVIG群が対照群に比べ優越性が検証された。(p=0.002、一般化Wilcoxon検定)
2)臨床症状の消失までの日数 有効性評価症例のKaplan-Meier 法による臨床症状の消失率は、IVIG 群57.3%、対照群39.4%で、IVIG 群が対照群に比べ優越性が検証された。(p=0.002、一般化Wilcoxon検定)
3)CRPの推移
①CRP定量値の推移
CRP定量値の投与前からの変化率を求め、ridit
スコアを用いた順位検定を実施した結果、両群間に有意差は認められなかった。(p=0.11、Cochran-MantelHaenszel検定(riditスコアを用いた順位検定))
②CRPカテゴリー値の推移
換算表に基づいてCRP定量値から読み替えたCRPカテゴリー値の投与前後の差について、ridit
スコアを用いた順位検定を実施した結果、両群間に有意差が認められた。(p=0.017、Cochran-Mantel-Haenszel検定(riditスコアを用いた順位検定))
4)細菌学的効果 IVIG群および対照群の起炎菌の陰性化率はそれぞれ67.9%(19/28)および50.0%(8/16)で、両群に有意差は認められなかった。(p=0.24、χ2検定)
有効度及び有効率
有効度はIVIG群が有意に高かった(Mantel検定:p<0.001)。また、「有効」以上の有効率はIVIG群61.5%(163/265)、対照群47.3%(113/239)で 、IVIG群が有意に高かった(χ2検定:p<0.001)。
有効度の判定基準
解熱効果と臨床症状の改善効果または検査所見の推移から、以下の判定基準にしたがい「著効」、「有効」、「やや有効」、「無効」の4段階と「判定不能」で判定した。
治療後の最高体温は試験第7日目を最終日とし、37.0℃以下が3日間以上持続した場合を「解熱」、37.5℃以下が2日間以上持続した場合を「解熱傾向」、それ以外を「解熱せず」と判定した。
主要症状は試験第7日目を最終日とし、登録時に登録した感染症に伴う主要症状の消失が3日間以上持続した場合を「改善」、1段階以上改善が2日間以上持続した場合を「改善傾向」、変化なしを「不変」、1段階以上悪化した場合を「悪化」と判定した。
検査所見は試験第7日目を最終日とし、細菌学的効果については起炎菌の消長により4段階(消失、減少、菌交代、菌存続)と判定不能に区分し、消失を「改善」と判定した。CRPの推移は定量値をカテゴリー値に変換し、3段階改善又は陰性化を「改善」、2段階改善を「改善傾向」、1段階改善または変化なしを「不変」。1段階以上悪化した場合を「悪化」と判定した。
副作用
IVIG群における本薬剤との因果関係を否定し得ない副作用は、安全性評価対象症例321例のうち14例(4.4%)に計21件認められた。
主な副作用は、悪寒4件(1.2%)、嘔気(嘔吐)3件(0.9%)、皮疹(発疹)、瘙痒感、発熱が各2件(0.6%)で、呼吸困難、心室性頻脈及び戦慄が各1件(0.3%)であった。
また、臨床検査値異常として総ビリルビン上昇各2件(0.6%)、血糖上昇、BUN上昇及びγ-GTP上昇が各1件(0.3%)認められた。
また、第7日目までにIVIG群において原疾患の悪化による死亡が4例、感染症悪化による死亡が2例、原疾患に伴う脳内出血による死亡が1例認められた。
対照群では原疾患の悪化による死亡が2例、感染症悪化による死亡が2例、肺炎によるものが3例、原疾患に伴う心不全・腎不全による死亡が1例認められた。
敗血症患者の死亡と炎症に対する免疫グロブリン静注療法:後向きデータベース研究
Takano H, et al. Front Immunol. 2025;15:1511481. https://doi.org/10.3389/fimmu.2024.1511481Copyright © 2025 Takano, Kanda, Wakimoto, Ohbe and Nakamura. 利益相反:本研究は、日本血液製剤機構の資金提供により行われた。
監修
神戸大学医学部附属病院救命救急科/
神戸大学大学院医学研究科外科系講座 災害・救急医学分野
中村 謙介 先生(2025年8月当時のご所属)
研究概要
| 目的 | 免疫グロブリン静注療法(IVIG)の有効性を検討するため、日本の急性期病院の集中治療室(ICU)に入室した敗血症患者における死亡率と持続性炎症・免疫抑制・異化症候群(PICS)の抑制に対するIVIGの影響を評価する。 |
|---|---|
| 対象 | 2008年4月~ 2021年9月に敗血症と診断され、入院当日および翌日にICUに入室した成人(18歳以上)患者15,159例(IVIG群786例、対照群14,373例)。 |
| 研究デザイン | 入院患者の診療データベースを用いた後向きコホート研究。 |
| 評価項目 |
|
| 評価方法 | 敗血症の判定には、DPCデータベースを利用した先行研究*に基づく、敗血症を示唆するICD-10の診断コードを使用した。 |
| 解析計画 | 傾向スコアマッチング解析により、各患者の傾向スコアに基づいてIVIG群と対照群の評価項目を比較した。欠測値は連鎖方程式により補完した。すべての共変量を調整したロジスティック回帰モデルにより、IVIGの実施を受ける傾向スコアを算出した。傾向スコアの識別能を評価するため、C統計量を算出した。キャリパーを傾向スコアの標準偏差の20%に設定し、復元抽出なしの1対1の最近傍マッチングを行った。絶対標準化平均差(ASD)を用いてマッチング後の両群の共変量のバランスを評価した。ASDが0.100未満の場合は両群の共変量のバランスは十分に取れていると判断した。帰無仮説を立て、各二値変数のリスク差と95%信頼区間(CI)を算出した。Wilcoxonの順位和検定により、連続変数である退院時のBarthel Indexおよび臨床検査値を比較した。結果の安定性を確認するため、オーバーラップ重み付け法により感度分析を実施した。P値はすべて両側検定で算出し、有意水準はP<0.05とした。 |
対象患者
ICUに入室し、敗血症と診断された17,626例のうち、15,159例(IVIG群786例、対照群14,373例)を適格患者とし、マッチング後の758組(計1,516例)を解析対象とした。
- 入院後最初の3日間(0日目、1日目、または2日目)にIVIGを実施された患者をIVIG 群に割り当て、最初の3日間にIVIGのコードがなかった患者を対照群に割り当てた。
- IVIG群の入院中のIVIG治療期間の中央値[四分位範囲(IQR)]は3日間(3~3日間)で、総投与量の中央値(IQR)は15 g(12.5 ~15 g)であった。
6.用法及び用量
〈重症感染症における抗生物質との併用〉
通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500~5,000mg(25~50mL)を、小児に対しては、1回人免疫グロブリンGとして100~150mg(1~1.5mL)/kg体重を点滴静注又は直接静注する。症状によって適宜増量する。
患者背景
-
マッチング前のIVIG群と対照群では主に、ICU入室、SOFA*合計スコア、カテコラミンインデック、人工呼吸器管理、持続的腎代替療法、ステロイド全身投与、アルブミン製剤の項目にばらつきが認められた(共変量のASD0.004~0.859)。マッチング後は、すべての共変量において両群間で良好なバランスを示した(共変量のASD<0.100)。
*Sequential Organ Failure Assessment
主要評価項目(検証的解析結果)
- マッチング後の28日死亡率(検証的解析項目)は、IVIG群のほうが有意に低いことが示され、優越性が検証された[11.9% vs. 16.4%、リスク差:-4.5%(95% CI:-8.0 ~-1.0%)、P=0.015、Wilcoxonの順位和検定]。
副次評価項目
- マッチング後の院内死亡率は、IVIG群のほうが有意に低いことが示された[18.1% vs. 23.4%、リスク差:-5.3%(95%CI:-9.3~-1.2%)、P=0.013、Wilcoxonの順位和検定](参考情報)。
- マッチング後の入院期間は、IVIG群のほうが有意に長いことが示された(P<0.001、Wilcoxonの順位和検定)(参考情報)。
- マッチング後の14日目および28日目のAlb値は、IVIG群のほうが有意に高いことが示された(P<0.001、Wilcoxonの順位和検定)(参考情報)。
- マッチング後の28日目のCRP値は、IVIG群のほうが有意に低いことが示された(P=0.01、Wilcoxonの順位和検定、検証的解析結果)。
- マッチング後の14日目および28日目のリンパ球数は、有意差が認められなかった。
敗血症性ショック患者を対象としたサブグループ解析
敗血症性ショック患者(0~1日目にカテコラミンを投与された患者と定義)に限定したサブグループ解析を実施した。
- 28日死亡率は、IVIG群のほうが有意に低いことが示された(16.8% vs. 23.7%、P=0.02、Wilcoxonの順位和検定)。
- 院内死亡率は、IVIG群のほうが有意に低いことが示された(23.2% vs. 32.6%、P=0.004、Wilcoxonの順位和検定)(参考情報)。
- 14日目および28日目のAlb値は、IVIG群のほうが有意に高いことが示された(P<0.001およびP=0.001、Wilcoxonの順位和検定)(参考情報)。
- 14日目および28日目のCRP値は、有意差が認められなかった。
- 14日目および28日目のリンパ球数は、有意差が認められなかった。
低IgG値群と高IgG値群に分類したサブグループ解析
入院時の総蛋白とAlb値の差の中央値は2.7g/dLであったため、2.7g/dL以下の患者を低IgG群と定義した。
- IVIGにより、低IgG群では28日死亡リスクが-6.2%(95%CI:-11.3~-1.2%)、高IgG群では-2.8%(95%CI:-7.7~2.0%)減少した(探索的)。
- 院内死亡リスクは、低IgG群で-8.4%(95%CI:-14.2~-2.6%)、高IgG群で-2.2%(95%CI:-8.0~3.5%)減少した(探索的)(参考情報)。
オーバーラップ重み付け法による感度分析
オーバーラップ重み付け法による死亡率に関する評価項目の感度分析では、対照群と比較したIVIG群の絶対リスク差は28日死亡率が-2.4%(-4.8~0.0%)、院内死亡率が-2.5%(-5.3~-0.3%)であった。
安全性
本論文中にIVIGの安全性に関する記述はありません。IVIGの安全性については、DIの安全性情報をご参照ください。
本研究の限界
本研究の限界として、以下の点が論文中で挙げられている。
- 未測定または未知の交絡因子が存在した可能性があり、重症度が両群間で十分に調整されていなかった可能性が考えられる。
- 感染源コントロールのための処置である0~1日目の全身麻酔下手術は調整したが、侵襲性の低い感染源コントロールのための処置は調整しなかった。
- ICD-10コードによる敗血症患者の特定には識別に限界がある。
- 本研究のデータベースには施設の情報や識別子が含まれておらず、本解析では施設レベルでの効果を考慮していない。
- IVIG群と対照群で広域スペクトル抗生物質の使用頻度に差がみたれた。
- 本研究ではIVIGの用法・用量(投与量、投与期間)と臨床転帰への効果との関連性を検討しなかったため、IVIGの最適な用法・用量および投与期間は明らかになっていない。
本研究結果のまとめ
IVIG後の28日死亡率・院内死亡率が低下した
IVIGによって敗血症患者の28日死亡率および院内死亡率の低下が認められた。
28日死亡率(主要評価項目):P=0.015、Wilcoxonの順位和検定(検証的解析結果)院内死亡率(副次評価項目):P=0.013、Wilcoxonの順位和検定(名目上のP値)(参考情報)
PICSの抑制の可能性が示唆された
IVIGによって入院14日目および28日目のAlb値と28日目のCRP値に有意な差が認められ、PICSを抑制する可能性が示唆された。
Alb値(副次評価項目):P<0.001、Wilcoxonの順位和検定(名目上のP値)(参考情報)CRP値(副次評価項目):P=0.01、Wilcoxonの順位和検定(検証的解析結果)
敗血症性ショック患者の28日死亡率・院内死亡率も低下した
IVIGによって敗血症性ショック患者のサブグループでも28日死亡率および院内死亡率が低下し、14日目および28日目のAlb値に有意差が認められた。
28日死亡率:P=0.02、Wilcoxonの順位和検定(名目上のP値)院内死亡率:P=0.004、Wilcoxonの順位和検定(名目上のP値)(参考情報)
14日目および28日目のAlb値:P<0.001およびP=0.001、Wilcoxonの順位和検定(名目上のP値)(参考情報)
低IgG値患者の28日死亡リスク・院内死亡リスクが低下した
IVIGによって低IgG値(総蛋白とAlb値の差2.7g/dL以下)患者のサブグループで28日死亡リスクおよび院内死亡リスクが有意に低下した。
28日死亡リスク:-6.2%(95%CI:-11.3~-1.2%)(探索的)院内死亡リスク:-8.4%(95%CI:-14.2~-2.6%)(探索的)(参考情報)
監修者コメント
重症病態に伴う炎症遷延と、それによる免疫抑制、異化亢進を「Persistent Inflammation, Immuno-suppression and Catabolism Syndrome:PICS」と呼び、特に敗血症はPICSのリスクが最も高く、長期予後悪化の一因となっている1。本研究はPICSに関連する血液検査パラメータを、背景を調整したうえで追跡し、敗血症におけるIVIGとPICS発症の関連を調べることを目的の1つとした。PICSは過度な炎症が根源と考えられるため、炎症制御を期待するいくつかの薬剤は、しばしばPICS抑制の候補として検討されている2,3。ここでIVIGは炎症制御とともに自身が免疫を強化する方向に働くという二面的な役割を持ち4-6、これは他の薬剤に類を見ないIVIGのユニークな特徴である。特に敗血症においては過度な炎症と免疫疲弊が問題となる7,8ため、IVIGはこれらに貢献できる可能性があり、本研究においてPICS関連パラメータとともに予後改善に貢献した理由として考察された。PICS病態に対抗するための治療候補として、敗血症においてはIVIGを検討できるだろう。
参考文献:
- Inoue S, et al. J. Clin. Med. 2022;11:5257.
- Chadda KR, et al. Br J Anaesth. 2024;132:507-518.
- Liu Y, et al. Int Immunopharmacol. 2023;117:109779.
- Kazatchkine MD, Kaveri SV. N Engl J Med. 2001;345:747-755.
- Jordan SC, et al. Transplantation. 2009;88:1-6.
- Schwab I, Nimmerjahn F. Clin Exp Immunol. 2014;178:97-99.
- Padovani CM, Yin K. Biomedicines. 2024;12:175.
- Cao M, et al. Cell Death Discov. 2023;9:465.
PICSの概念
敗血症を発症すると、全身性炎症反応症候群(SIRS)が起こり、炎症と同時にこれを抑制するCARSが起こる。急速な回復を示す場合もあるが、治療後もこの炎症と抗炎症が収束しないことがある。これらの患者では、SIRS/CARSが遷延・進行することで、軽度の炎症が長く遷延し、二次的な感染症を引き起こしやすく、異化状態が遷延し、PICSを形成する。早期にIVIGを実施することによって、PICSを抑制することが示唆される。
参考文献:
- Kashiwagi S, et al. Clin Nutr. 2024;43:1872-1879.
- Kanda N, et al. J. Clin. Med. 2023;12:3822.
- Nakamura K, et al. J. Clin. Med. 2022;11:5790.
敗血症における免疫グロブリンの作用機序
(審J2508137)

