イラストで学ぶDIC

用語解説

Cascade (waterfall) model(瀑布型モデル)
外因系、内因系、共通系の3つの経路で構成される古典的な血液凝固反応系。
Cell-based model(細胞依存性モデル)
組織因子発現細胞を軸として血液凝固反応を説明し、開始反応・増幅反応・進展反応の3段階から構成される。
収束型モデル(Convergent model)
血液凝固反応を自然免疫炎症反応と凝固反応連関から説明する最新のモデルであり、DAMPs(ヒストン)が主役を演じる。
セリンプロテアーゼネットワーク
セリンプロテアーゼ反応で形成される凝固反応経路、カリクレイン・キニン経路、補体反応経路によって構成されるネットワークであり、自然免疫炎症凝固反応の主体をなす。
ADP:adenosine diphosphate
アデノシン二リン酸(AMPとATPから合成される)。
Ag/Ab:antigen/antibody complex
抗原抗体複合体。
AMP:antimicrobial peptide
抗菌ペプチド。
AP-1:activator protein-1
生体侵襲に応答してサイトカイン等の遺伝子発現を制御する転写因子。
AT:antithrombin アンチトロンビン
トロンビンを中和して凝固を阻害する抗凝固因子(セリンプロテアーゼインヒビター、セルピン)。
C:complement
補体。
C4bBP:C4b binding protein
C4b結合タンパク。C4bに結合し補体経路反応を阻害し、プロテインSとも結合する。
CAMs:cellular adhesion molecules
細胞接着分子。
CLEC1A:C-type lectin family 1A
C型レクチンドメインファミリー1メンバーA。好中球に発現するアンチトロンビンの特異的受容体。
COL:collectin
コレクチン。補体系レクチンの1つで、MASPと複合体を形成してマンノースを認識・結合する。PRR(パターン認識受容体)。
CS:chondroitin sulfate
コンドロイチン硫酸。
D;DNA:Deoxyribonucleic Acid
デオキシリボ核酸。
DIC:disseminated intravascular coagulation
播種性血管内凝固症候群。重度生体侵襲により全身持続性に著しいトロンビン産生をきたし、細小血管内播種性微小フィブリン血栓形成が起こる。
EGF:epidermal growth factor
上皮成長因子。
EPCR:endothelial protein C receptor
血管内皮細胞プロテインC受容体。
F1:prothrombin fragment1
プロトロンビン構成因子。
F2:prothrombin fragment2
プロトロンビン構成因子。
F1+2:prothrombin fragment 1+2
プロトロンビンフラグメント1+2。トロンビン産生指標としてPF1+2の名称で臨床応用される。
FIC:ficolin
フィコリン。補体系レクチンの1つで、MASPと複合体を形成してマンノースを認識・結合する。PRR(パターン認識受容体)。
FV(FVa、FVa-B):coagulation factor V(activated FV、FVa-B domain)
凝固第V因子(活性型FV、FVa-Bドメイン)。
G:G protein
Gタンパク質。細胞内でGタンパク質共役受容体(GPCR)と共役し、様々なシグナル伝達カスケードを活性化する。
GP:glycoprotein
接着分子。プロテオグリカン、グリコサミノグリカンとともにグリコカリックスを形成する。
GPI:glycosylphosphatidylinositol
糖脂質グリコシルホスファチジルイノシトール。タンパク質を細胞膜に結合させる糖脂質。
H:histones
DNAを巻き付けてヌクレオソームを形成する。ヌクレオソームが集合しクロマチンを形成し核内にDNAをコンパクトに収納している。
HMGB1:high-mobility group box-1
細胞核内に存在するdamage-associated molecular pattern(DAMPs)で、終末糖化産物受容体(RAGE)を受容体とする。
ICAM-1:intercellular adhesion molecule-1
細胞接着分子-1。免疫グロブリンスーパーファミリーに属するグリコプロテイン。
IL:interleukin
インターロイキン。
IRF3:interferon-regulatory factor-3
インターフェロン制御因子。Toll様受容体(TLR)細胞内情報伝達機構。
LDL:low density lipoprotein
低比重リポタンパク質。
LPS:lipopolysaccharide
リポ多糖。グラム陰性菌外膜構成因子でpattern-associated molecular patterns(PAMPs)として作用する。
LRP-1:lipoprotein receptor-related protein 1
低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質-1。組織型プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)受容体として働く。
MAC:membrane attack complex
膜傷害複合体。補体C5b-C9で構成される。
MASP:MBL-associated serine protease
MBL関連セリンプロテアーゼ。マンノース結合レクチン(MBL)とともに複合体を形成する。
MBL:mannose binding lectin
マンノース結合レクチン。MASPとともに複合体を形成する。
MCP-1:monocyte chemotactic protein 1
単球走化性促進因子。ケモカインの一種。
MIP-1α:macrophage inflammatory protein 1α
マクロファージ炎症性タンパク質。ケモカインの一種。
MODS:multiple organ dysfunction syndrome
多臓器機能障害。病的自然免疫反応による複数の重要臓器の進行性機能障害。
MyD88:myeloid differentiation factor 88
TLRsのアダプター分子で、細胞内情報伝達起点となる。
NETs:neutrophil extracellular traps
好中球細胞外トラップ。DNA、ヒストンで構成され、好中球エラスターゼなどが付着するクロマチン網。
NFκB:nuclear factor κB
生体侵襲に応答してサイトカイン等の遺伝子発現を制御する転写因子。
PAI-1:plasminogen activator inhibitor-1
t-PAと結合して不活性化する線溶抑制因子。
PAR:protease-activated receptor
プロテアーゼ活性化受容体。トロンビン等の受容体でありPAR1~4がクローニングされている。
PC:protein C
プロテインC。抗凝固因子の1つで、トロンビン/トロンボモジュリン複合体により活性型PC(APC)となる。
PCI:protein C inhibitor
活性型PC(APC)を阻害するセリンプロテアーゼインヒビター(セルピン)。
PDI:protein disulfide isomerase
血小板活性化に伴い放出され、単球の不活性型の組織因子(TF)の活性化作用をもつ。
PECAM-1:platelet endothelial cell adhesion molecule-1
血小板内皮細胞接着分子。免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞表面レセプター。
PF1+2:prothrombin fragment F1+2
プロトロンビン構成因子。トロンビン産生指標として臨床応用されている。
PS:phosphatidylserine
細胞内Ca2+上昇で活性化したスクランブラーゼで、血小板等のリン脂質膜表面に露出し凝固因子を活性化する。
PS:protein S
プロテインS。APCはPSを補酵素としてFVa、FVIIIaを分解不活化する。
PSGL1:P-selectin glycoprotein ligand-1
好中球・単球等に発現し血小板P-セレクチンを認識しこれらの相互作用に関与する細胞接着分子。
PR3:proteinase 3
単球・好中球に発現しsEPCRが結合する。APCの抗炎症作用に関与する。
RAGE:HMGB1-receptor for advanced glycation end products
終末糖化産物受容体。HGMB1を認識するPRR(パターン認識受容体)。
S1P:sphingosine-1-phosphate
スフィンゴシン1リン酸。APCの抗炎症作用に関与する。
S1P1:sphingosine-1-phosphate type1 receptor
1型スフィンゴシン1リン酸受容体。APCの抗炎症作用に関与する。
sEPCR:soluble EPCR
可溶性EPCR。単球・好中球PR3に結合しAPCの抗炎症作用に関与する。
SERPIN:serine protease inhibitor
セルピン。アンチトロンビンやC1インビビターなどのセリンプロテアーゼインヒビターの略で、セリンプロテアーゼによる活性化反応系を制御する。
TAFI:thrombin activatable fibrinolysis inhibitor
トロンビン/トロンボモジュリン複合体で活性化され、TAFIaとなり線溶阻害に働く。
TAFIa:activated TAFI
活性化TAFI。フィブリンのリジン残基に結合してプラスミン産生を阻害する。
TF:tissue factor
組織因子。血管損傷に伴い血管内皮細胞下組織から露出、あるいは単球等に発現誘導される外因系凝固反応の開始因子。
TFPI:tissue factor pathway inhibitor
組織因子経路インヒビター。TF/FVIIa、FVa、FXaを阻害する血液凝固制御因子。
TLR:toll-like receptor
パターン認識受容体であり、病原体関連分子パターン(PAMPs)/傷害関連分子パターン(DAMPs)を認識する。
t-PA:tissue-type plasminogen activator
組織型プラスミノゲンアクチベータ。プラスミノゲンをプラスミンに変換する線溶系の開始因子。
TXA2:thromboxane A2
活性化血小板が放出し、血小板凝集と血管収縮を促進する。
VCAM-1:vascular cell adhesion molecule-1
血管細胞接着分子-1。免疫グロブリンスーパーファミリーに属するグリコプロテイン。
vWF:von Willebrand Factor
血管内皮細胞で産生、Weibel-Palade小体に貯蔵される。血管損傷に伴い同小体から放出され血小板一次止血に関与する。
主な参考文献:
丸藤 哲.あなたもはまるDIC―まったく新しいDIC学への誘い.東京:三輪書店;2023.
一般社団法人日本血栓止血学会用語集(最終確認日:2025年6月9日)https://jsth.medical-words.jp/
Gando S, Levi M, Toh CH: Disseminated intravascular coagulation. Nature Reviews Disease Primers 2016; 2:16037.
Gando S, Levi M, Toh CH: Disseminated intravascular coagulation. Journal of Intensive Care 2025; 13:32.
2025年11月更新
(審J2511205)

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