川崎病

免疫グロブリン療法を受ける患者さんと保護者の方へ

審J2305030

MENU

どんな治療が必要なの?

  • 川崎病の治療では急性期の強い炎症反応をできるだけ早く抑え、冠動脈瘤ができないようにすることが大切です。一般的に『アスピリン療法』と『免疫グロブリン療法』が行われます。
    重症例には、免疫グロブリン療法と併用してステロイド薬、シクロスポリンが使用されることがあります。

アスピリン療法

アスピリンという薬を内服する治療法です。血管の炎症を抑える効果と血液を固まりにくくすることにより血栓を予防する効果があります。症状の軽い患者さんにはこの治療法のみが行われることもあります。

免疫グロブリン療法

免疫グロブリン製剤という薬を静脈内に点滴し、全身の炎症を抑えて冠動脈瘤ができるのを防ぎます。
川崎病と診断され発熱がある場合に投与しますが、現時点では標準的な治療法で、アスピリン療法単独よりも冠動脈瘤ができる頻度を少なくします。
現在、日本では約90%以上の患者さんに免疫グロブリン療法が行われています。

免疫グロブリン療法は、免疫グロブリン製剤を1~2日で投与する場合がほとんどです。

これらの治療法を行っても、少数ながら効果が得られない患者さんもいます(15~20%)。この場合、免疫グロブリン製剤の追加投与、その他の薬(ステロイド薬、シクロスポリン、抗TNF-α薬、その他の炎症物質を抑える薬)や血漿交換療法による治療などが行われます。それぞれ長所・短所がありますので、主治医から詳しい説明を受けてください。

ステロイド併用療法

ステロイド薬には炎症を抑える効果があります。重症例では免疫グロブリン療法と併用することにより、冠動脈瘤を合併するリスクを減らせるという研究報告があります。

シクロスポリン

シクロスポリンには炎症を抑える効果があります。重症例では免疫グロブリン療法にシクロスポリンを加えることにより、冠動脈瘤を合併するリスクを減らせるという研究報告があります。

抗TNF-α薬

抗TNF-α薬は炎症を起こすTNFαの働きを抑えることにより、炎症をしずめ症状を改善します。
通常、川崎病の急性期に1回点滴で静脈内に注射します。

血漿交換療法

患者さんの血液(血漿成分)にある病因物質を取り除くために、血液を体外に取り出し、血漿分離器で血球成分と血漿成分に分離したあと血漿を廃棄し、その分を健常な方の血漿(あるいはアルブミン製剤)で置き換える治療です。