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15.生命保険

Q

将来を考えて生命保険に加入したいと考えています。多くの生命保険は血友病を申告すると断られると聞いていますが、加入できる保険は、何かあるのでしょうか。

A

これは皆さんの経済的な不安の上位に挙げられ、私たちもよく質問を受けます。製剤の進歩、輸注方法の改善により、ほとんど「普通に」生活できているのに、こうしたところは昔と同じでした。つまり血友病と言うと、どの保険にも加入できない状態が続いていたのです。しかし、最近になって少しずつ加入できる保険が作られてきました。まだ○○保険なら大丈夫ですと、一律に太鼓判を押せる状態ではありませんが、個別に健康条件と希望を検討すれば、一般の保険とさほど違わない支払い額で加入できる事例も出てきました。

どんな保険があるのか?

【死亡保険】
①無選択終身保険(一時払終身保険を含む)
②限定告知型終身保険

①の無選択終身保険とは、基本的に既往症を有する方でも加入可能ですが、加入年齢に制限が有る場合があります。また、②限定告知型終身保険とは、各々の保険会社が決めた要件(例えば、過去2年間以内の入院や手術の履歴が有る・過去5年以内に肝硬変と診断された・3ヵ月以内に入院や手術の予定がある・心疾患、高血圧、脳血管疾患、糖尿病と診断されたなど)に当てはまらなければ、加入できる保険です。ただし保険の性格上、加入可能年齢が高めに設定されていたり、受け取る保障(保険)額が少なかったり、保険料は一般の終身保険より割高になっています。なお、利殖面を兼ね備えた一時払終身保険には児童期からでも加入できる保険もあります。

【医療保険】
これは限定告知型保険のみです。死亡保険同様、各々の保険会社が決めた要件をクリアすれば、加入できます。年齢も20歳から加入できますが、全般に高めに設定されています。入院給付(保険)金については1万円以下/日が一般的です。また、保険料が割高で、支払保険料総額と補償額となることもあります。

【学資保険】
貯蓄や親の死亡時保障を目的とした保険であれば、保険会社により加入できるものがありますが、児の医療保険も兼ねているような保障となると加入は難しいでしょう。

【その他】
貯蓄性の高い保険や障害保険などもあり、無理だとあきらめず、各社保険を扱っている代理店のファイナンシャル・プランナーに相談してみてください。その際には患者会での皆の体験やソーシャル・ワーカーの情報もとても役立ちます。

一度、お尋ねになってはいかがでしょう。